horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

サックス・ローマー『怪人フー・マンチュー』

怪人フー・マンチュー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

怪人フー・マンチュー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ピートリー、わたしがはるばるビルマから戻ってきたのはイギリス政府のためだけではなく、全白色人種のためでもあるんだ。

 原著1913年ころに黄色人種組織を率いて西欧帝国主義に挑戦した(という設定の)フー・マンチュー博士は、われわれから見れば亜細亜解放の先覚者としかいいようがないが、当然に(引用の言を発したヒーローのネイランド・スミス弁務官をはじめとして)イギリス帝国主義者から見て悪者なのだった。
 20世紀の後半にいたってもイギリスの大衆文化においては帝国主義の作風が抜けきっておらず、その特撮番組「サンダーバード」の問題点は以前指摘したこともあるが、この番組にしばしば登場した悪役フッドというのが、あきらかにフー・マンチューのイメージを踏襲した後継者なのである。