horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

橋本治『双調平家物語 15 源氏の巻(承前) 落日の巻 灌頂の巻』

 全巻通じた感想は、さらに双調平家物語ノート2巻二段組活字の合わせて約700ページ読んでからでないと出せないが、この最終巻に限って言ってみると…原典「平家物語」のヤマ場なのだが、駆け足で終わってしまった感は否めない。物語の体裁はあくまで遵守してるのだが、著者の関心は「愚管抄」的な政治過程の解釈寄りなので、平家が孤立した結果としての必然的な滅亡(と解釈してか)、もう興味を失ってるように見える。
 たとえば、「浪の下にも都のさぶらふぞ」と壇ノ浦でともに入水するとき安徳幼帝にいい聞かせた二位の尼(祖母・清盛の室)の台詞は、芳一が琵琶で弾き語ると亡霊どもを泣かせるようなものなるに、あっさりオミットされている。個人的に、おばあちゃん子なので平家の怨霊でなくても泣けるとこなんだがなあ…。保元の乱のときの為義の幼子が斬首される際は詳しく語ってたのに。関東人だから源氏びいきなのか?