- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 単行本
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たとえばこの橋本平家は、三田誠広がこの時代に取材した『清盛』『夢将軍 頼朝』『西行 月に恋する』『阿修羅の西行』といった連作と読み比べてみるとわかるが、(大岡昇平のいう意味で)歴史小説としてよほど真っ当なものである。しかし著者はこういえるほどに優れた歴史認識より、意図としては(現代に通じる)日本人論として書いてるようなのだ。つまり通時性より共時性、その歴史観もつまるところオーソドックスな講座派なんじゃないかな。