horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

明清党

山内昌之『民族と国家』

 ブルクハルトを批判する奴なんて、そうそういないだろうからやってみると、欧米人の一般性でイスラムに対する偏見がひどくて本来的に自己の反進歩史観の先駆者であるイブン・ハルドゥーンを(それと名指さないが)貶してるのがダメだな。塩野七生(やブノア=メシャン?)の嘆賞するシチリア王フリードリッヒ2世はディスってるのが面目躍如だが(笑)。
 山内先生の著作はタイトルが抽象的すぎるきらいがあって、これも「中世世界帝国の頽落と民族国家の群生」とでもすればわかりやすいが、グスタフ・ランダウアー『レボルツィオーン』の説くように近代というのは中世の崩壊から新しい世界秩序が形成されるまでの過渡期に過ぎないのであり、この乱世からの再建の指標としてオスマン朝(おなじく明清や徳川幕府)が参照されるべきだというのは著者の読んで欲しい読み方ではないはずだが(笑)。