horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

【正論】年頭にあたり 評論家・西尾幹二 中国恐怖症が日本の元気を奪う

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/110112/fnc1101120308000-n1.htm
 梅棹忠夫の生態史観を敷衍したもので、大陸との冷戦の環境にマッチした言説だが、本当にこれで「元気」になれるのだろうか? というよりその「元気」は、「支那事変」に深入りしてしまった「元気」とどう違うのか。
 梅棹史観を、日欧のようにちまちま蓄積して資本主義発展させるのより、乾燥地帯からの暴力で革命される大陸のほうが壮快でイイと受け取ったのは故平岡正明である。こういう点で、梅棹史観に西尾先生と同断なプチブルの理解しか示せない福田和也なぞがいくら「パンク」を衒っても、存在に決定されてどうしようもないただのオボッチャン保守の正体が見え透くのだ。
 モンゴルが砂漠からの暴力とすれば日欧米は海洋からの暴力で、近代の覇権も遊牧民帝国と同じ一過性のものだと見るのが、A・G・フランクの「リオリエント」だ。このくらい壮大な史観にしてようやく大陸との関係の大計も見定められよう。海洋勢力と一緒に退潮して、大陸の生産力からおあずけを食っていいのかという話。
 毛沢東主義を放棄して孔子主義を掲げる今の共産党「王朝」が今後も続くのかといえば、断じて否。砂漠や海洋からのインパクトで徹底的に革命をやれるのが、大陸のイイところなんである。
 貿易を金額で測ってGDPに占める割合が低いといわれても、中国製の安い製品にもっぱらお世話になってる層としては疑問だったが、GDPの虚妄を説く後の論点によって、ご自分で反証してくれている。