horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

チャールズ・クローヴァー『ユーラシアニズム ロシア新ナショナリズムの台頭』

ユーラシアニズム ロシア新ナショナリズムの台頭

ユーラシアニズム ロシア新ナショナリズムの台頭

 著者のクローヴァーってファミリーネームはアーシュラ・K・ル=グウィンの甥か何かかなとも思ったが、アルフレッド・クロー「バ」ーだったねアーシュラの父は。しかし文明史的に重要な視点を示すこの著作からは、日本語であまりクローヴァーと区別されないクローバーのゆかりの方かと勘違いしてもしょうがなかろうかと(笑)。
 本書の一番の読みどころは第2部のレフ・グミリョフの人生と思想であると思われる。タイトルの思想を体現もしているし。第3部で紹介されるアレクサンドル・ドゥーギンやエディ・リモノフなんていうのは、日本でいえば福田和也がその出来損ないを演じているようなものだと思えて(プーチン政権への影響力なんてことをアドヴァンテージとしても)あまり感心しないが、先行する同じく日本でいうと加藤九祚みたいな人であるグミリョフは非常に興味深かった。
 世代は前後するが第1部のトルベッコイやヤコブソンに(それほどの国際的知名度はないと思うけど)わが田中克彦先生が同じく言語学者として対応すると思う。トルベッコイの戦前の訳書、大日本文明協会だったか黒龍会の出版部だったかで出してたの百円均一で掘り出して持ってるはずなんだが。