horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

最近読んだシブサワ

太陽王と月の王 (河出文庫)

太陽王と月の王 (河出文庫)

の中の「玩具のための玩具」という小論に、ミニアチュールのシンボル的価値というテーゼがあって、これを援用するならば、ミニカーの助手席に「王子様と雪の夜」当時の加護ちゃんのイメージを乗せて架空の空間を疾駆するミクロ状況のデミウルゴス(造物主)たることのほうが、喫煙と荒淫で見る影もなくやつれその辺の風俗嬢のようになった彼女が上述の親爺と実車に並んで座っている現実より、価値が高いと思ってしまうのを如何ともしがたい。あ、それならデボネアのミニカーにこだわる必要はないわけか。シンボルとしてのミニカーもいらない、いっそ橇のイメージだけで氷の涯 (現代教養文庫 882 夢野久作傑作選 2)と洒落こもうか。