horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

プーチンとともに追悼

ジョン・ル・カレ『寒い国から帰ってきたスパイ』

 『素子の読書あらかると』という本で新井素子さんが、私は「戦争」「謀略」「スパイ」物が苦手と言ってるのに、それ読んですぐ(その本でおすすめの本でなく)これを読み出すって嫌味だけど…(笑)。この間ジョン・ル・カレ亡くなってて、偶然出てきた文庫本*1読もうと決めていたのだ。
追悼:英作家ジョン・ル・カレ氏 スパイ小説で弱い人間を描き続け - BBCニュース
 記事中に貼られてる映画(化)を大昔にTVで観てるのだが、話はまったく忘れていて、ようやくラストのシーンまで来てモノクロ(映画だったと思う)画面がよみがえった。
 スパイ小説の松本清張っていうか(清張もスパイ謀略もの書いてたよな)けっこう純文学的(清張がだって直木賞ではなく芥川賞)。ヒーローとヒロインがドストエフスキーっぽい。
 「寒い国」と訳されたのは単に THE COLD なのであって、COLD WAR の COLD、冷戦の戦場のことである。共産圏の内情も冷徹に描写されるが、それ以上に反共闘士の自己批判だ。
ジョージ・ブレイク氏死去、98歳=ソ連亡命の英二重スパイ (2020年12月26日) - エキサイトニュース
 無意識のジョージ・ブレイクが主人公でもあり、作家自身でもあったのではないか。

*1:上のキンドル版の表紙絵?古い文庫版のそれと絵のモチーフほとんど同じでリニューアルだけしてる