horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

当代最高の歴史家

と呼んでもなんら過褒でない。著者小熊英二はあれだね、日本近現代史ミシュレか。いやエドマンド・ウィルソンの『フィンランド駅へ』読後すぐ

に掛かったせいで、そんな思いつきなんだけれども。透徹した認識を示しながら情感のにじみ出る文章が、同世代の人が書くものに似ない。実は『単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜』も『〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性』も、もう読んでいたりで、なぜそうなのかは見当がつくのだが。とにかく、これら自体が歴史に残る本である。あとこの著者には戦前戦後共産主義運動の歴史を書いていただきたい。部落や在日の人士・組織との混在→分裂などの、今回読んだ著書と密接に関連する問題がてんこ盛りであろうから。