horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

確かな企み?

 橋本治の、シリーズで何冊か出てる新書の最新刊日本の行く道 (集英社新書 423C)
をなんとなく読んだ。今般日本の諸問題の解決に、抽象的にいえば社会の再建というそれ自体は異存のない志向が語られるが、具体的には高度成長以前に戻れという提言が、冗談めかしてではあっても、まったくダメである。
 その時代こそ、技術の未来を夢見た社会だったのであって、高層建築を取り壊せば戻れるどころか、地球温暖化を宇宙技術の発展で何とかしようと発想し、ゆとり教育でバカを量産してる場合ではなく理系の英才を輩出しなければならない。当時の人間ならそんなふうに発展的な未来を構想したであろうに、当時のあの程度の技術で満足するために後ろ向きに戻るということ自体が矛盾だ。当時の生産力に相応した社会を小企業主の息子の著者のノスタルジーで理想化されても、家族経営の小企業でこき使われる立場を容易に想像できる筆者にはまったく共感できない。
 いじめについても自殺についても以前ここで書いたが、相手を敵と見極め、イスラム殉教者を見習って敵を道連れにする精神の執拗さ強靭さ、地球温暖化といえばもう降参という京都議定書なんぞ拒否するアメリカも同じ精神であり、アメリカ占領軍にも地球温暖化にもいじめる奴にも、総じて敵には絶対降伏しない強さを日本人も持つべきなのだ。