- 作者: 平井玄
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
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後に自民党議員になる和尚・今東光に、プロレタリア文学に接近した一九二〇年代の一時期があることを憶えておいて損はない。(p.73)
などと書くが、プロレタリア文学なんぞ転向して当り前で、妙にありがたがる必要ないし、それから再転向して「民主文学」にならなかっただけ立派といえるくらい。しかも、これが実父の反抗的軍隊歴への比喩として出した「今東光原作による映画『兵隊やくざ』」につづくくだりなのだが、そもそも『兵隊やくざ』の原作は今東光じゃないし。勝新の「兵隊やくざ」に相対して(書いて)いるインテリ上等兵殿(田村高廣)は、有馬頼義なのである。
とまあ、難点はこれくらいで、あとはすごくイイよ(笑)。こういう難点に関わらず、呉智英以下、浅羽通明の一派より、やはりずっと上等と考える。シラカバ派上等。てっとり早くはこのへん見てみてね。