- 作者: 東島誠,與那覇潤
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2013/08/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あえて異議を唱えるとすれば、丸山眞男(って一発変換できないんだな)に対する吉本隆明のスタンス(そのこと自体が触れられているが)になるだろうか。だが、それにも徹しきれないね、今の大衆って、すなわちオタクだから、その現場(この場合ネットの)にいてよく知ってるからな〜。今の吉本的な代表は東浩紀じゃないかと思うんだが(『一般意志2.0』とか)、一部オタクの想像を絶するネット上の多数派捏造の悪辣さに楽観的すぎるというか。あなたはオタクぶってるけど、ちがうでしょう?(ご自身の善良さを基準にして悪人の存在をご存じない)って思うんだな。
(ある年代以上の)日本人におなじみのポーランド人ワレサを「ヴァウェンサ」という(正確な発音らしい)東島氏の高踏さも、「宇宙戦艦ヤマト」でスターシア死亡編という特殊なヴァージョンを正編のように語るミスを犯している與那覇氏の(オタクから見て)底の浅さも、大衆から遊離してるのは明らかだが、だからといって大衆よりダメともいえない。おおいに学ばせてもらい、それをどう(東島氏のキーワード「江湖」的に)土着化(というとご両人は眉を顰めそうだが)させるかは読者の課題だ。