- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/12
- メディア: 単行本
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しかし藤原「悪左府」頼長が、こんな男色家とは知らなかった。今まで読んだ一般向けの平家関係の本でそんな話なかったんだが…とはいっても純然たるフィクションでこんなこと書くわけないだろと思いWiki見たら、ちゃんとそのとおりの史実、しかも本人が日記に書いてるらしい。公家の冠のっけたまま全裸でサカってる男ふたりなんてイメージはいまだかつて想像したこともなかったよ(苦笑)。著者の是非に描きたかったことでもあろうが、この時代がローマ帝国と同じく日本の古代なんだっていう歴史観が正しい。
木曽義仲の父「帯刀先生」義賢(「たてわきせんじょう」と覚えてたが「たちはきのせんじょう」らしく細かく正確)も男色の相手になっているのだが、あとから嫌がって「キモッ」みたいに反応して頼長の不興をかったのは事実かどうか知らないが、まさに武者「がらみ」のそこから頼長が没落の予感を抱くのはストーリーテリングとしてたくみだ。