モダン・アートを総じて御法度にしてしまったのがナチズムである(インテリの初期
ゲッベルスは例外)。これは芸術・対・権力である以上に芸術・対・大衆である点が難しい問題だ。
リリアン・ヘルマンなどの
アメリカ左翼の大衆嫌悪の淵源だし、例の
都知事候補・
外山恒一も同じような被害感だろう。上記・中薗著の背景になっている中国
文革などはもっと徹底的、大規模なものである。そして現在は、
イスラム原理主義がというわけだ。ただ、そのように大衆的に野蛮な
ナチスにも、
文革にも、
イスラム原理主義にも、一方それだけ
通俗的な、冒険の要素があって、だれでもいくらかは大衆だから引きつけられないわけでもないのだ。