horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

 古代出雲に興味持って読んだのだが、これは卑弥呼邪馬台国・神武東征まで当ブログで取り上げた古代史ネタをすべて網羅する盛りだくさんの内容が詰め込まれた超お買い得本だった。この先に読んだ「出雲大社の謎 (朝日新書)」がごく穏便な入門書なのに比べて甚だしくぶっ飛んだ内容だから、「出雲大社の謎」のほうじゃ研究対象のかぶる最近に先行した新書にある斬新な見解なのに本書をまったく黙殺し去ってるのも、日本史(律令制度)と国文(風土記)でジャンル違うとはいえ学会で現役の立場としてしかたないのだろうか。
 邪馬台国奈良盆地説が説かれるが、邪馬台国が神武に征服される説(邪馬台国大和朝廷不連続説)が説得的なのだ。ただ神武の出身をイマイチ詰めてない感じなのだが…。仮に日向(宮崎)だとして神武東征航路が瀬戸内海(著者は日本海のほうが古代デフォルトの航路というこれも斬新な説を出してるので、その点でもこれは?とすべきなのだが、それを神武の革命性と補説はできる)と限らないんじゃないかと思った。神武勢力は南海道に扶植されてたのではないか。大阪湾(あるいは明石大蔵海岸)上陸に失敗した後、紀州に前進?するのが不審なのである。土佐・阿波・紀伊あたりがすでに勢力圏だから後退したんではないのか。