- 作者: 池田嘉郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2017/01/21
- メディア: 新書
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ロシア革命というと帝政からすぐソ連になったように思われがちだが、二月(ロシア歴。以下も)革命と(共産主義者による)十月革命の間の臨時政府という、自由主義者と社会民主主義者の寄りあいで政権を作っていた時期がある。本書は、これに可能性を見出そうとするモチーフかといえようか。やっぱり無理だったのかなあ…って感じもあるが。日本の明治維新、幕末でいうと公武合体派みたいな、野口武彦氏が冗句で自称してるけれども。
官軍と戦った(いわゆる)賊軍が、別に王政(復古)に反対していたのでないように、(この本が扱う時期のその後)赤軍と内戦を戦った白軍も(サヴィンコフのような)革命派ではあったというのがわかる。今現在でいうと、日本会議のような極右ポピュリズムに対して保守主義の、中島岳志氏みたいな立場になるかもしれない。そういう意味でいま、日本も破局にひんしている。