最初のトピック、モーニング娘。'16「Tokyoという片隅」(ハロ!ステ Edit.)は、まあちょっと「ハロプロ総本店」の(特にアレンジ面での)味ウスさを感じないでもないんだが…(苦笑)。しかるに(近田春夫氏も高評価の)アンジュルムの前作「出すぎた杭は打たれない」からの後退と見えつつも、むしろかえって80年代からのアイドル楽曲マナーに忠実で、ナショナル・アイデンティティで譲らない意気を示したともいえよう。
かたやアンジュルム「糸島Distance」(ハロ!ステ Edit.)も、そういう意味で(よくいえば)アイデンティティ回帰なアレンジ(その回帰にファッション周期的な根拠のあるのは累々指摘してきたとおり)。故・山口昌男の著作が思い出される道化衣装もエイティーズなセンスなのである。
ファンキーなラテン・リズムの歌謡曲もしかりであって、その上に「すすきの」に続くご当地ソングが九州出身新メンかみこ加入を祝したものかと思われたが、しかしスマイレージ・エラ最後の名曲の当時、北海道出身のメンバーがいたわけでもなかった(苦笑)。こういうくっきりしたソロ・パートが次々交代するのが、グループ・アイドルの醍醐味なりけり。