そう、時代区分の疑問ってことからも、ビザンツ（東ローマ帝国）に興味があったのだ。西ローマは5世紀に滅んだが、東ローマは15世紀まで残ったのである。ローマ帝国がまだあるのに、なぜ古代が終わったことになるのか。
入門者用の二・三のシリーズ端本からオストロゴルスキーの古典的な大著「ビザンツ帝国史」、最近の専門書で根津由喜夫「ビザンツ貴族と皇帝政権―コムネノス朝支配体制の成立過程― (金沢大学人間社会研究叢書)」まで読み漁ってきた私の考えでは1204年、第4回十字軍によってコンスタンティノープルが陥落したのがヨーロッパ古代の終わりである。それ以前から萌芽のあったのは諸著作で説かれる通りだが、ここにおいて決定的にビザンツ史も封建制になったのであり、鎌倉幕府の成立と時期的にも一致する。
