北一輝でいうと『
支那革命外史』にあたる著書である。著者も別の著書で語るように、動乱地域インテリジェンス担当
ノンキャリア外交官の仕事は戦前民間の
大陸浪人に委託されていたわけで、いわば共通の経歴(のち政治裁判で断罪を受けるところも)。この非常にマニアックな哲学思想ヲタが、
落合信彦ふうの語り口で自ら介入した実体験として叙述する
ソ連崩壊の記録は、よく売れているのが納得の面白さだ。それにしても、
ファシズムにせよ「革命」を志して教訓を得る戦前と異なり、この教訓から「亡国」の回避しか目指せないのが、日本の
ブルジョアジー現在の志低さを示している。