小松左京『ＳＦ魂』

SF魂 (新潮新書)

　BO108円でゲットすぐ読んだ。2006年7月20日発行2011年8月25日3刷。著者プロフィールに2011年7月没。ともう付け加えられている。遺著*1になるのかな。その遺著が自身による自身のコンパクトにまとまった紹介書になっているのも偉大な才能の一片を示している。
　コリン・ウィルソン同様、この人は自伝的な著作が何冊もあり（自伝的要素を小説に描くのも同じ）、それらにいささか触れていると初見の事実というのはあまりないんだけど、ことあらためて見れば彼も「京都学派」ではないのかと。京大人文研とは親しい交流があり、上山春平の「ハイポサイエンス」（ハイポセシスとは仮説）みたいなことをここでも言ってるのみならず、小説において実践している（けだしそれがSF）。ハイポサイエンスとは「ウラ科学」と上山は規定するらしいが、その伝でいくと「ウラ京都学派」か。
　ちなみにBOは明日から四日間ウルトラセールの本全品20％OFF也。

*1:そのものずばり『小松左京自伝』のほうが遺著らしい。いずれにしろ生涯を書いて遺すという遺志らしいね。