- 作者: 小松左京
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/09/28
- メディア: 文庫
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前半は戦中の神戸での悲惨な中学生時代と戦後の開放的な京都三高時代の自伝で、こういうものを読めば愚かしいネトウヨなどにはとてもなれないというものだが、そもそも愚かしいからこういうものは読めもしまい。
万博奮闘記のほう回顧ではなく当時の記述による、新京都学派としてのいわば(ローカルな)文学報国時代なんだけども…この人は近代と現代の分水嶺に立っていた人だという感じがする。この万博ってものは近代の総決算であって、今さら万博ってこと自体が日本で1970年に(あるいは中国上海で2010年に)は意味があったけれども2025年に日本ではもう無意味なんじゃないかと思える。いや、彼がもしまだ生きていれば、移民の中に埋没する日本人社会を肯定して、その到来による経済成長を寿ぐのだろうか。