horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

ウィングキットコレクションvol.6

http://www.f-toys.net/index.php?m=fproduct&t=detaile&product_id=116
 航空機食玩メーカーは結局ここエフトイズとアルジャーノンプロダクト(旧カフェレオ)の新興二社だけが残って、それぞれマニア向けに積極的な商品展開(といっても食玩は基本、発売一回ごとの売り切りなのだが)を行っている(うっかり童友社を忘れてた。F-2は買ったのに。しかし実機がえらいことになったね、今回の津波で)。
 今回も、「戦後のレシプロ機」と称して(レシプロ機というのは一般的な言い方だとプロペラ機)、戦後の米英機3種というマニアックなラインナップ。うち、米機コルセアとスカイレイダーは既に他社が出したから、新機種はシーフューリーだけだが、ちょっとこれだけでもレア。英国はともかく日本では極マイナー・アイテムで、大昔ハセガワが英フロッグと提携してたときに出た?くらいしかないような(もしかして最近のマニアに特化した模型業界だと国産品あるのかもしれないが個人的に不詳)。
 とりあえず、まず一個買ってみた。重いめの箱を引くと、スカイレイダーのBだった。紺塗装の朝鮮戦争時である。ベトナム戦時海軍機塗装のAはカフェレオ版で持ってたので出なくてよかった。しかし、この塗装は…。スケール・モデルでは縮尺が小さくなれば実機をそれだけ距離をおいて見るに等しく、その間の空気の層を実機の塗装そのものにグレーや艶消しを加味して表現するのがリアリスティックだという理論があることはある。このセオリーに忠実なのはいいが、この鈍い艶消しでは、枢軸国に勝利したばかりの自信に溢れた米軍機らしくないといわざるをえない。それ以前に、成型色にありがちな色調が塗装済みを謳った有難味を文字どおり艶消しにしている。
 後日、シーフューリーがほしかったので、明らかに軽いとわかるのより少し重いのを引いてみた。コルセアのAだった。あれ? そこで、はたと思い当たった、明らかに軽いのこそシーフューリーだと。ああ勘違い。まあしかし、持ってる(バンダイのだっけ?今となっては昔)コルセアは対日戦塗装で、今回のは朝鮮戦争だから被ってはいない。米海兵隊紺塗装がらしくない地味さは上記スカイレイダー同様だが、カウリングの蛇マーキングはらしい派手さ。
 その日のうちにまた購入する。もう手応えはわかってるので容易にシーフューリーを引く。Cのオーストラリア海軍エアロバティックチーム銀塗装。こういうアイテムはエフトイズの初心から一貫している。アクロチームコレクションとして始まったシリーズだから。しかしコレは馴染みがなさ過ぎ。
 また後日、シーフューリーを引くつもりで、そのとおり引く。Bのオランダ海軍機。これはインドネシア独立を阻止しようと軍事介入した時の作戦機だろう。(同シーフューリー他三機種とも参戦の)朝鮮、(スカイレイダー参戦の)ベトナム、(コルセア参戦の)パシフィック・ウォーと、本質的に同じ文脈(有色人種の独立阻止)で理解できる戦争なのである。それはともかく、英軍機のマーキングも付属してるので、デカールの色調がメチャクチャで使えない所蔵のミニクラフト(韓国製)ホーカー・テンペストのキットに流用できそうなのがうれしい。
 シーフューリーのシークレットはキューバ軍機という情報があって、これは出るまで引かなきゃ(機種は選んで引ける)と思ったが、その後の情報でキューバ陸軍航空隊機と判明したので、その必死さは消えた。それなら革命前のバティスタ親米政権軍であって、ピッグス湾でCIA傭兵の侵攻を撃退したキューバ革命空軍機ではないのだ。