horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

気になっていた“おじさん”の正体が判明

http://www.excite.co.jp/News/bit/E1331883166916.html
 前回紹介した『フクシマ以後』に「小品」としてルソー論とともに収められた「写真の力」という写真論がある。ヒトラーのキャラクターが戦後の日本のTVで「そっくりさん」コンテストの対象になる、いわば「お笑い」系の人気者扱いだったことから、第三帝国での肖像写真とのコンテクストの相違を見、後者に写真のイコン化を指摘する。写真本来に真を写した「もの」を見たなら、たしかに喜劇役者のような男だと。話はここから、自然をモロに切り取る写真の暴力性について存在論的に語られるのだが、ここではヒトラー論にこだわる。
 戦後のドイツでナチズムが禁忌になって、法的にも厳重に規制されているのは周知だ。日本のように「ヒトラーそっくりさん」をヴァラエティー番組で楽しむなど(今日では日本でもだが)ありえない。しかし、「(お笑い的に)愛されるヒトラー」的なキャラクターがドイツにもあったんだな、というのが今回の発見だった。アロイス・ヒンゲル。アロイスというのは、ヒトラーの父と兄の名である。ヒンゲルという姓も、もじりくさい。といっても、1911年からあるというから、ヒトラーが当地ミュンヘンのビアホールで一揆を起こして有名になる(1923年)以前の作品ゆえ偶然ではある。それが意図せずして、戦後においてはその存続が、ヒトラー人気(?)の地下水脈だったのではないか。そんなことが絶対にあってはならない所での、あくまで暗黙の(おそらく自覚もなく無意識の)ものとして。しかしかえって第三帝国では、これがどういう扱いだったか気になる。あるいは弾圧を受けたんではないか。