horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

承前

 アイドル批評というものがあるとしたら、それは音楽というような基準を持たずには(たとえば)中森明夫のような無原則な提灯持に堕すほかないのであり(この頃では当人、当初嘲弄していたはずの左派ぶっているが、それも朝日新聞社との古馴染みを維持するためでしかあるまい)、ゆえにこの番組でMVが公開されると楽曲の分析に必然的にかまけてしまうのであっては、衣装や装置・撮影にまで目が届かないきらいがある。その点、今回のまなかん岡井ちゃんくらいの感想では(たしかにこの年頃でこんなコメントできるのはエライんだけど厳密には不正確でもあって)食い足りないわけだが、小関ちゃんのように衣装がストライプで統一されているのを具体的に指摘してくれたりするのは傾聴に値する。岡井ちゃんのコメントの不正確さっていうかテキトーさは、このあとに露呈された(苦笑)。
 宮崎由加室田瑞希「四字熟語」に限界ギリギリの弁証論を試みるなら、これも有史以来の中華文明を和風に消化してきた過程をすでに終了した後で、アイドル的に脱構築とかしてるんじゃないかと(笑)。あえてこういうことのできる素地を(彼ららしい愚かさで、この文明を放棄してしまった半島の蛮族とは一線を画し)、われわれがなおしっかり保持しているということでもあろうか。
 モーニング娘。'15春ツアー初日のメンバーコメント映像をお届け!が今回のハイライト。コメントというか挨拶というものだが、それぞれに考えたアピールを見せ聞かせてくれた。個々の時間はそれほどでもなくても全体で大分の時間を占めるハロプロ(集団としての研修生以外)で最大の人数は、今回のトリプルA面シングルでも(ふたたび長篠鉄砲陣に例えるなら)三段構えの全過程を完備する総合性を示すことができたのであり、依然ハロプロ看板グループの面目を返上したことではないと思われた。