horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

橋本治『双調平家物語〈5〉父子の巻・保元の巻』

 全14巻中5巻目の半分くらい読んでも、恵美押勝が敗死して道鏡がどうたらいってる天平時代である。だいたいここまでで推量するに、著者は平家の滅亡をもって日本古代の終焉とする好ましくもオーソドックスな史観を披歴するものらしい。井上章一のような京大日本史の邪説が調子こいている昨今には目覚ましい壮挙なり、さすが東大出。
 このへんの古代史にあまり興味持てなかったのは、だいたい中朝と同じような宮廷陰謀なんか「武者の世」に比べて糞面白くもないと思ってたわけだが(「韓流」時代劇ドラマなんか視るものは女ばかりであろう)、おかげさまで積読だった『愚管抄』(中公バックスの現代語訳だが)と保田與重郎萬葉集の精神』を併読するに至った。