horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

定番最深部に向って退却せよ

COVER YOU

COVER YOU

 そうだ、これでいい。

 目立ったヒット曲のない近年のモーニング娘。紅白歌合戦の連続出場が今回はいよいよ危ぶまれて、オジサン受けのよさそうな故・阿久悠トリビュート、先行シングルはピンク・レディーの「ペッパー警部」カヴァーとNHKに媚び、なんとか捻じ込んでもらおうとしたが失敗に終わった、というように世間的には見えたのだろう。ハロプロ作品としても、彼女らも含め各グループのオリジナル・アルバムに対し、かつてのフォークソングス・シリーズのような、たいせー(プロデューサーの肩書きではないが筆頭ディレクター)の担当する、ということは(たいせーには失礼だが)本筋から少し離れたカヴァー・アルバム。ハロプロ本隊であるはずのモーニング娘。今年唯一リリースしたアルバムが、である。堕ちたなモーニング娘。そういうことか? 断じてそうではない。
 「Folk Songs」は3枚目、つんく♂が贈る童謡シリーズを謳う「ザ・童謡ポップス」1〜4まで(新譜として)聴いてきているから(すべてレヴューあり)、それ以前の「ガレージ」も含めハロプロのカヴァー企画の初期に遡る伝統を把握している。昨日今日の思いつきではなく、お家芸となってもいたのだ。そしてその意義を認めたから、必ずしも好みの音楽ジャンルとはいえない童謡にまでつきあってきたのだった。こういうハロプロの「定番」志向を全く知らずに、中森明夫などの尻馬に乗って、モーニング娘。を最後に歌うアイドルはもう終わった、これからは女優アイドルだ、これぞ「昭和三十年代主義」なりと浮かれる浅羽通明を批判したのは当然だ。
 流行を追わずに定番に就くという、堅気な歌うアイドル集団であるモーニング娘。としては、だから、これでいいのである。紅白出場とかヒット曲とか、あったほうがいい。当り前だ。しかし、なくてもくじけない。アゲインストな情況の中で、自分たちこそができることを、しっかりやればいいのであり、しっかりできた。それをここに紹介する。続きはこちらで