horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

ノートルダムのせむし男

ノートルダムのせむし男 [DVD] FRT-033

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 これより後にフランスでアンソニー・クイン主演で撮られたものを観たおぼえがあるが、あまり覚えていない。カジモドがエスメラルダを刑場から攫ってノートルダム寺院に駆け込む時に、今回「サンクチュアリサンクチュアリ!」と叫ぶのを、仏版では「アジールアジール!」といっていた気がする。
 タイトルは放送禁止用語なので、以前に観た仏版は深夜放映だったにせよ、今回のようにモロ出しのタイトルじゃなかったはずだが、それも覚えてないなあ。いずれにせよ、差別は、あると思う。差別反対、中世はこんな無残でしたってイデオロギーにとっての論より証拠と出される以上に、その映画化時点での差別も、誇張された映像化としてある。そういう細かい追及が、だいたい70年前後からなされるようになって、今ではそれが行き過ぎて言論表現の窒息状態をもたらしているのも事実だ。だからといって、差別はいいとはいえない。が、差別によって差別を撃っている、このような作品までタイトルで撥ねられてしまうようなテレビは、もう終っている。ゾッキ販売みたいな細々とではあるが、こういうものをなくさない努力(金儲けを動機とする)は多としたい。
 原作にもあるようだが(未読)、乞食の王様みたいな男が登場して乞食軍団を率いてヒロイン・エスメラルダ奪回の実力行動を起こす。それが準ヒーローの青年の、パリ市民を喚起する言論活動に対して無駄という、民主的な教訓を示す話が後半のヤマなんであるが、この乞食の王、なんとなく「庶民の王者」を自称する(根拠はないわけではない)×××会のI氏を髣髴とさせる。ちなみに原作者の翻訳選集だかを出してるのも、こちらの関係会社であり、I氏のお気に入りの作家らしいのだが、このことに自覚はあるんだろうか。