horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

(主に)ユーラシア古代史・構造主義・笠井潔

 最近(に限らず稀な)☆つけてもらったのが大分前に書いたフョードロフ伝の感想だったりして、これまで力入れてきたつもりのハロプロ批評がまったく評価されないのも方針転換の動機なのだが…。
 タイトルが最近の読書傾向。全然、関係ないようで関連してるのは『オイディプス症候群』という最後の著者の比較的最近作(といってもノベルス版が10年前リリース)に鍵がある*1
 主にユーラシア中世史(あとヨーロッパは近世史、ラテンアメリカは一巻で現代史まで)読んできた中公新版「世界の歴史」(最初は特に全部読むつもりなかったわけだが)、10冊超えた勢いで全巻読破が目標となってきた(旧版の読破が父の世代の知識人の条件だったのかなとも思ったから*2)。
 次はどことしたときに、とりあえず先頭に戻り2巻まで読んだところ続く3・4巻飛ばして『世界の歴史 (5) ギリシアとローマ』を選択させたのが笠井著だ。事件の舞台となる「ダイダロス館」が建築様式を倣ったクレタの王宮(実地に復元)写真も載っている。
 またこれにミシェル・フーコーアンドレ・グリュックスマン(あとハーヴェイ・ミルクか?)をモデルとした人物が登場してるからというのもあるが、副島隆彦スクール高弟の近刊訳書『野望の中国近現代史』を興味深く読んだあとにケンブリッジ辞典記事をまとめてオーソドックスな『毛沢東の思想―~一九四九年/一九四九~七六年』を読み、これも近刊の『1968 パリに吹いた「東風」――フランス知識人と文化大革命』を併読しているタイミングの良さだった。
 最後の著作はフランス現代思想史として、これを読んでいると笠井著の理解を確実に助ける。その『オイディプス症候群』で「ミシェル・ダジール」(ド・アジールかな?)の思想として紹介されるのは、『1968 パリ〜』にあるとおり(68年5月に復権したサルトルと肩を並べた)70年代初頭マオイスト組織へのアンガージュマンを重大な契機として(『言葉と物』の)構造主義を脱却したものではあるのだが。

*1:矢吹駆シリーズ以前の四部作が前提となってるので初心者におすすめはできないが、読者であっても最短10年以上最長30年近くも前に読んだ内容はほぼ忘れている。

*2:ちなみに中公旧版新版ほかの世界の歴史シリーズはこのスレが参考になる。