horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

菅谷梨沙子ソロ論

 アニメのキャラクターになりきって歌う企画物のリリースとなるソロ・シングル。肝心のアニメ未見のオッサンが当てずっぽうな理解だと、「エースをねらえ!」の「お蝶夫人」的なキャラかな? あれはあの当時まだいくらか「崇拝」の対象ではあったようなのだが、イマドキだと、もうこういうのまったくのギャグなのはオッサンにもわかるよ。
 だからギャグになるようなハイソ振りを演じてしかるべきなのだが、梨沙子の解釈が微妙にズレてると思われるのである。その理路を推測してたどってみると、ハイソ→高ピー→高飛車→コワモテ、というふうになる。それで結果的に、70〜80年代アイドルの山口百恵&フォロワーのジャンルを図らずも再現してしまった歌唱ということができる。ちなみに最近、自民党議員になって民主党政権を厳しく問い詰めてる三原じゅん子も、この当時そのひとりだった。
 この路線はハロプロにおいては端的に「ごまっとう」(後藤・松浦・藤本の沓冠体)の担ったものだった。ここでも15年周期テーゼに引証すれば、80年に百恵の引退があり、96年に明菜が小室プロデュースで終わり、2010年代初頭の現在、藤本のデキ婚を別にしても「ごまつ」ともに鳴かず飛ばずの状態に陥っている。
 そういう中で、こういう意外な個性・企画において、失われたジャンルが突発して出てくるのが面白いなと思って、別個に取り上げてみた。
 追記。モーニング娘。の最近のシングルの多く(今回収録の01.含め)も路線としてはそうだが、あくまでソロに限った以上の論点である。