horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

14. 初恋サイダー [Buono!]

 で、鮮やかなピンクのモッズスーツを着こなしたBuono!である。パリでも好評を博したスタイリッシュさであるが、楽曲ジャンルで実は「ドキドキベイビー」と変わりはないのである。ためしに、この冒頭の愛理ソロからすぐ真野ちゃんが「ドキドキ」と合いの手を入れるリフの前奏につないでみるといい。何の違和感もないであろう(各論でネガティヴに語ってしまった「ドキドキベイビー」だが、あれはあれで彼女のアイドル性を打ち上げ花火よろしく最後に総決算的に爆発させたものでもある)。二期タンポポ永井ルイ編曲が中途半端な洋楽系ニワカを引き寄せたと同じことで過大評価すべきでないが、今回は℃-ute真野ちゃん以外にロックな楽曲がなく、まして「愛の弾丸」みたいな超名曲もないので、この原理主義的ロックンロールが映える。
 余談になるが、℃-uteは「君は自転車〜」だけでなく「会いたい〜」も、ギターソロの間奏だけでなく全体スピードメタル・アレンジにしてもよかった。たとえば、以前貼ったドナ・サマーの I Feel Love にしても、同時に貼ったエレクトロ内部でのカヴァーだけでなく、フィンランドヘヴィメタル・バンド、キングストン・ウォールによってカヴァーされてもいるのだ。
 もともと桃子は、その二期タンポポ的なアイドル理念を抱懐したものであって、あのスタイリッシュさの発展系でもあるこれこそ、彼女の自己実現でもあるのだった。