- 作者: 長崎浩
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2011/06/22
- メディア: 単行本
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矛盾点は何かといえば、けだし政治と叛乱(共同体)なのだ。アレントの矛盾を我がこととして共同体の救済を認めつつ病理を見据えて政治を構築しようという著者の素志で、今回はさまざまな宗教(かなりいかがわしい人民寺院、オウム含め)共同体をとりあげて、とりわけ「政治家」パウロに共感して語っている。
この二元論こそはドニ・ド・ルージュモン『愛について―エロスとアガペ―』ともパラレルなのであって、やはりカタリ派的なロマン一辺倒ではシモーヌ・ヴェイユの自滅しかないわけか。