horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

霊柩車の誕生

新版 霊柩車の誕生 (朝日選書)

新版 霊柩車の誕生 (朝日選書)

 処女作であり、専門分野に近いところでなされた著作で、さすがに上より水準が高いが、やっぱり今一歩踏み込みが足りない。葬祭の日本近代史を克明にたどって、建築の帝冠様式と同様に近代的様式のデカダンスとして、このキッチュな宮型霊柩車という存在が生まれたことを明かしている。大衆社会というところまでは著者の思考もとどいているが、その先ファシズムといえないのが、以前に近著で帝冠様式について異論を呈したのと同じ、著者のイデオロギーの限界であろう。