horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

シン・ゴジラ

http://www.shin-godzilla.jp/index.html
 今週のお題防災の日」に観るにふさわしい映画だった。まあ単に(毎度)サービスデー1100円で観たわけだが。描写にしろ設定にしろ東日本震災なくしてありえない映画である。
 しかしむしろこれは、震災をゴジラと喝破した佐藤健志氏のアンチテーゼであって、「こういう事態」がもし(この)現実に起これば「これってゴジラだろ?」と誰しも思うはずだが、この映画の世界においてはゴジラというポップ・カルチャーがもとより存在しないことになっており、そのことがゴジラが出現する以前の(あるいは出現する以上の)虚構性となっている。
 それがまあシリアスさの担保になってるというか、非常に緊迫感があってよかった。私にとってこの監督は「エヴァンゲリオン」どうとかでなく、三輪明日美仲間由紀恵出演の映画「ラブ&ポップ」という実写第一作をまた劇場で観て以来の、当時からアニヲタではなく当時だからこそ筋金入りのアイドルファンとして知ってるわけだが、最初からけっこう社会派なんであって、そういうよさだな。ただこの映画に描かれるように今の日本のエリートが責任感のあるものかどうか不審とせざるをえないが、かくあらまほしきものといったところか。
 アイドルということでは、石原さとみの(よく知らないが)「アスカ・ラングレー」ふうなネーミングのキャラより、市川実日子のほうが意外と…ももちやあやちょなんかの素顔ふう?でいいと思うな。
 ゴジラ映画としてはVSビオランテやVSデストロイアを観てるはずだが、あの頃はローグステート北朝鮮の脅威に重ねあわされてた感じだった。今やそれ以上の震災と放射能汚染*1の衝撃ということをあらためて思い知る。それこそまた(本当に)首都圏に「上陸」しないとも限らない(「終わってないぞ」という含みを持たせたエンディング)。防災の必要なゆえんである(なんてらしくなくお題の趣旨に沿った?マトモな結論に強引に持っていったりして)。

*1:現実の汚染が映画のように「除染可能」かどうかも疑問なしとしない。