佐藤優,片山杜秀『平成史』

平成史

　こっちのほうが東浩紀一派の批評史（の後編）より余程面白いな。対象が違うといえばそうだが、あずまん派は対象の取り方がそもそも間違ってるともいえるわけで…。佐藤氏はあずまん流のポストモダン思想をトータルに否定するのだが、それもポストモダン状況におけるポストモダンな一態度であってね。
　二人に同意できないことを挙げると、やたら中間団体の消滅を嘆く（その反動で佐藤氏はS学会の健闘を称える）のだが、そこは一般意志のほうが好きな私（笑）。ネットのアーカイヴが「一般意志2.0」ってな思いつきよりルソーのオリジナルに惹かれるのだ。