horror of mean army ?

淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜ねざめぬスマのセンチネル

長谷川慶太郎の世界はこう変わる 2008 世界を日本がリードする

 吉本が「経済の実際家」と評したという(あとがきで編集者が書いている)著者の、バブル時代から毎年出しているシリーズ。今でも往時と変わらない?景気のいいことが書いてある。本年版だと図書館の蔵書はいつも貸出中で、来年の版がもう出ようかというこの頃やっと読めた。なんでそんなに人気なのか、読んでみるとわかる。これは『少年マガジンの黄金時代 ~特集・記事と大伴昌司の世界~』にみることのできるような、ある年代以上のオジサンにはタマラナイ光り輝く科学技術の明るい未来図なのである。当時の感性のままオトナになった「昭和三十年代主義」というものがあるとすれば、今はこんなものに夢中になっているだろう。
 著者は若かりし日の朝鮮戦争中、毛沢東派指導部の共産党武装路線に心ならずも?従わされ、阪大の部隊を率いて吹田事件に参戦したのを悔い、フルシチョフ主義を奉じるソ連派として「日本のこえ」に行っていたという過去があるが、共産主義からはとうに転向したという。たしかにそうだが、構造改革派として転向したとはいえない。むしろ非転向の構造改革派だからこそ、元トロツキストネオコンが推進するアメリカ帝国主義グローバリズムを、以前のソ連による(「平和競争」の)世界革命と同じように奉じながら、国内的には小泉「構造改革」を支持するのだ。